前職では塗料関係の技術職をしていました。塗料の開発品や既存品を担当していたのですが、仕事が自分の所属部署だけで完結することが多く、閉塞感がありました。つまり開発は開発、技術は技術、営業は営業と分担制で、お客様の顔が全く見えてこない。お客様の要望は営業を介して聞くことになるため、どうしてもズレが生じてしまい、もどかしく感じていました。自分の中のギャップを埋めるために、環境を変えたくて転職先を探していたところ、大成ファインケミカルとマッチング出来ました。
この会社では、1つの製品の最初から最後まで、開発から製造、更にはお客様が実際に使っている現場まで関わることが出来ます。私自身も営業について行き、お客様の声を直に聞いて「それならこういう風に変えてみましょう」「こういうのはどうですか?」とその場で意見交換が出来ます。求められる内容をはっきり理解し把握して次の段階へ進むことが出来る――こういう仕事の仕方を求めていました。いま、ぐんぐんと自分のイメージしていた方向に進んでいるという実感があります。
例えば、樹脂、顔料、溶剤、添加剤といった原料を配合し、塗料製品を設計することが技術グループの仕事の1つですが、原料の組み合わせや配合する順序、添加スピードなどを僅かに変えるだけで物性が変化する面白さがあります。もう1つ、技術職も実際に現場でお客様と意見交換が出来ること、そしてそれをすぐに試作品のレベルアップに活かせること。このスピード感と手ごたえは、この会社ならではだと思います。ダイレクトに、より良いモノづくりを進められるところに面白さを感じています。
大学の専攻は化学でしたし、以前勤めていた会社も化学系ですので、専門知識や試験機器に関しては共通するものが多く、困りませんでした。しかし、業界の違いについては知らない世界で、現在担当しているスポーツ施設用塗料や道路の舗装材では、求められる性能をまだ把握しきれていません。現在猛勉強中で、今まさに苦労しているところです(笑)
1つには、自分の専門分野を突き詰めていきたいですね。塗料ひとつとっても、まだ分からないところだらけ。塗料って奥が深いんです。2つ目は、環境対応型の塗料をもっと広めていきたい。人体や環境に負荷をかけない塗料として、水性系の塗料があるのですが、溶剤系に比べて性能やコスト面で課題があり、まだまだ市場は広がっていません。自分のテーマとして、性能でもコストでも遜色のない水性塗料を開発し、社会に広めていければと思っています。環境と性能の両立は非常に難しいのですが、いつかチャレンジしていきたいですね。
もう、手厚いです(笑)入社当時、塗料の原料のリスクマネジメントに関して分からないところがあり、直属の上司に「この部分をどうやって調べたらいいですか?」と聞いたことがあります。そうすると、翌日には必要な内容をまとめた手作り資料がスッと出てきて…。個々の説明もしてくれて、本当にありがたかったです。更には、もっと上の偉い上司にはもっとお世話になっています。迷惑がられていると思いますけど…(笑)
何かを尋ねるとき、「ここは分かるがここが分からない」と教えてもらいたいポイントを明確に伝えるようにしています。そうすれば、「教えてあげたい」とうずうずしている人は沢山いるので、間違いなく的確にフォローしてくれます。この会社には、いつも社員に気配りをして、伸ばそうとしてくれる社風があります。でも、待っているだけではダメ。自分からアクションを起こせば必ず反応が返ってきます。